アルゼンチン基本情報とユネスコ世界遺産(観光向け)
Hola!
みなさんってアルゼンチンってどんな国か知っていますか?
結構代理店で働いているとアルゼンチンがどういう国なのかよくわからないで
お見積り依頼をされる方、多いです!
わからないからこそ、料金が高く感じたり、無駄な移動がある…
とご不満を持ってしまい易いです。
なかなか「地球の歩き方」でも書いてあるジェネラルインフォメーションを読んでも
パッとしない、読みずらくって飛ばしがちな基本情報。
なんたってアルゼンチンが大きすぎてどうもイメージが沸かない!って
ほうが強いですよね!
アルゼンチンとは
地理
アルゼンチンは日本の国土の7.5倍ほどの大きさ。
ブラジル・パラグアイ・ウルグアイ・チリ・ボリビアの5か国と国境を接しています。
南米大陸の南部のほぼ占めている国土には東はアンデス山脈(チリとの国境)、海は大西洋に接しています。
だいたいこの地図に書いてある通り主要の観光地は各地に散らばっています。
それぞれ各州の名前が観光地として有名で知られている場合もあればそうでないものも。
例えば
イグアスの滝はミシオネス州とか。
でもイグアスの滝付近の空港はプエルトイグアス空港ですのでわかりやすいのですが、
ペリトモレノ氷河へ行く際はエル・カラファテ空港になります。
気候
日本とは赤道を超えて南半球にあるため
日本の夏はアルゼンチンの冬、日本の冬はアルゼンチンの夏になる。
つまり真逆なんです!
日本で年末年始の旅行を計画される方は日本とアルゼンチンの気温の差に注意です!
また年末年始はハイシーズンですので料金も高くなることも。
それ以外にも政治・経済が動きやすい期間になるのはだいたい夏あたりです。
ツアー料金や航空券の料金が定かではない時期にもなります。
逆に日本のお盆休み=夏休み時期はアルゼンチンは冬、ローシーズンですので、
イグアスの滝やペリトモレノ氷河へ行く場合は参加したいツアーが行われているか確認をしてから旅行を計画する方がベスト。
お安い場合もあるのですが、それよりもツアーが実施されない場合があるので注意。
お勧めの時期は秋と春の間。
気温も落ち着いてきて日本とアルゼンチンで寒暖差がないので過ごしやすいです。
またツアーの実施もまだこの時期ならありますし、航空券も割とお安いかなー。
ただアルゼンチンの休日(長期週末)を避けるのがベスト。
アルゼンチン人みんなが動きますし、周辺国も祝日だったりするので
直近での航空券・ツアー予約空き状況が無い場合がほとんどです!!!
2月の謝肉祭は1〜2週間ぐらいの日本でいうゴールデンウイークなので
こちらも避けた方が無難。
たまにぶつかるのでよく祝日は確認すべきです!!
アルゼンチンの祝日は基本的に
Feriados 2019 | Argentina.gob.arで
カレンダーが出ているのでパッと見てわかるようになってます。
だからといって半年前だと経済・自国通貨が不安定なアルゼンチンでは
料金の変動または確定ができないので現地の旅行代理店では見積りができません!
現地の代理店に頼む場合はだいたい2,3か月前を目明日に考えたほうがいいかもしれません。
国内の移動
国内の移動は基本的に
飛行機
長距離バス
電車(ある都市や場所のみ)
の3つがあります。
基本的に一番効率がいい移動は飛行機。
ただ地方から地方へ行く場合、
例えばイグアスからエル・カラファテ(ぺリトモレノ氷河)へ行く場合は
必ずコルドバまたはブエノスアイレスを経由する乗り継ぎ飛行機しかない
=直行便はない!!
ことを頭に入れていたほうがいいです。
また長距離バスは飛行機と同じようにエコノミークラスからスイートクラスまで。
でも時期にもよって、超安い場合もあれば、飛行機と変わらない値段の時も。
もし乗るのであればスイートクラスで移動するのがおすすめです!
なんたって、移動は12時間を余裕で超える場合がありますからね…。
飛行機は1~2時間で行けるのに…
時間に余裕のあるかたはぜひ。
https://www.plataforma10.com.ar/
最後に電車。
ブエノスアイレスからの長距離電車は
コルドバ、トゥクマン、ロサリオ、バイアブランカ、マル・デル・プラタ
が主要。
ただ、これもヨーロッパの電車事情とは違うのでかなりサービスや到着などは
変わってきます。
これも時間がたくさんある人向けの旅行ですね。
Servicios regionales y de larga distancia | Argentina.gob.ar
食べ物
アルゼンチンと言ったらやっぱりお肉でしょう!
でもお肉だけじゃなくて、
元々ヨーロッパ系(スペイン・イタリア)の移民が多いアルゼンチンでは
パスタやピザ、ミラネッサ(イタリア風カツレツ)なども
美味しくいただけます。
それだではなく、
ヨーロッパと先住民料理が融合したエンパナーダやロクロなども
味わってみないと損ですね。
お肉系
ピザなら
そのほか料理
観光地おすすめナンバーワン!地域
ブエノスアイレス
首都ブエノスアイレスは必ず経由する場所であり、
アルゼンチンの文化・経済・政治の中心地。
観光には一度は訪れたい場所でもあります。
アルゼンチンといえば、サッカー!タンゴ!
主要サッカークラブのボカジュニアーズやリーベルプレートの
スタジアムも市内にあり。
タンゴも町中観光地なら路上で踊ってたり、
路上演奏もありでタンゴ好きにはたまらない!
またブエノスアイレス市内だけではなく郊外にもいろいろあり、
知れば知るほど行きたい場所が増える街。
初めての場合は市内観光ツアーやタンゴディナーショーは必ず参加するべし。
あとは2階建てバスで市内ドライブはおすすめ(笑)
イグアスの滝国立公園(ユネスコ世界自然遺産)
アルゼンチン北部に位置するミシオネス州にあるイグアスの滝。
世界遺産にも登録され、パラグアイとブラジルの3か国国境でもある。
世界三大瀑布とも呼ばれるうちのひとつでもあり、
アルゼンチンに訪れたなら必ず行きたい場所。
イグアスの滝では滝つぼボートツアーやサファリなどがメインアクティビティ。
基本的なプランではボートツアーと四駆自動車サファリのコンボがメイン。
ちょうど満月時期に行けば夜の国立公園に入場することができる(ツアー参加必須)
公園の中では珍しい動物や鳥など、動植物を観察したり、亜熱帯性気候特性の
トロピカルな雰囲気を味わうのにも持ってこい。
小さいお子様のいるファミリーには持ってこいの場所です!
ロス・グラシアレス国立公園(ユネスコ世界自然遺産)
アルゼンチンというともう一つ思い出すのが、「ペリトモレノ氷河」
え、南米なのに氷河?って感じのギャップが印象的なペリトモレノ氷河。
アルゼンチン南部に位置し、世界でも有数の氷河地帯がそこには広がっています。
地球の温暖化で世界中の氷河が後退す るなか、この氷河だけは依然として1万年以上前の氷期と同じ活動を続けています。
主なアクティビティは氷河の上を歩くミニトレッキング。
トレッキング終了には氷河の氷で飲むウイスキーのオンザロックを楽しむだけに
参加する人も少なくないとか…
そのほかアルゼンチンのユネスコ世界遺産
アルゼンチンの世界遺産ってイグアスや氷河以外なのも知ってますか?
案外たくさんあるので行く用事があれば行ってみるのもいいかもしれませんね!
参考:https://worldheritagesite.xyz/southamerica/argentina/
グアラニー族のイエズス会伝道所跡(イグアス・ミシオネス州)
グアラニーのイエズス会伝道所群はブラジルだけでなく、お隣のアルゼンチンとの間に広がる世界文化遺産です。17世紀初頭にに土着のグアラニー族に、キリスト教を広めるための拠点としてイエズス会は各地にいくつもの伝道所を築きました。
現ブラジル南部、アルゼンチン北部、パラグアイ南部に住んでいたグアラニー族とキリスト教の神父たちの平和な集落が築かれていました。スペイン王のアメリカ大陸からのイエズス会撤退令がでた1767年まで、約150年に渡りポルトガルの奴隷狩りに対抗しながらの穏やかな生活跡が残されています。
ブラジル側のサン・イグナシオ遺跡を含め、
ミニ・サン・イグナシオ、
サンタ・マリア・マジョール、
サンタ・アナ、
ヌエストラ・セニョーラ・デ・ロレートの合計5つの遺跡が世界遺産。
ケブラーダ・デ・ウマワカ(ウマワカ渓谷、フフイ州)
南米のグランドキャニオンとも呼ばれるこの渓谷
この渓谷は遥か昔から交通面において重要なものであったと考えられており、渓谷に沿って、多数の建造物が残されていると言われています。
そのため、グランデ川とウマワーカ渓谷という自然の風景の中に、この渓谷が重要な場所であったことを示すように、人工の建造物が点在して残されています。このように、雄大な自然の中に、人工物が溶け込んだ風景が、この地の人々の営みを伝えるものとして、その価値を認められています。
また有名この地域でなのが「7色(虹)の丘」(プルママルカ)。
鉱物が重なり、地表に現れ7色の丘という風に呼ばれている。
タランパジャ国立公園(月の谷)(ラ・リオハ)
この世界遺産には、同国の砂漠地帯にある、「イスキグアラスト州立公園」と「タランバヤ国立公園」の二つが含まれています。
これら二つの公園は隣接しており、どちらも人類が出現する以前の地球の歴史を紐解く上で大変重要とされる「三畳紀」の動植物が化石として保存されており、その価値を認められています。
現在でもこの地には、恐竜や古生物の化石が残されていますが、それに加え、公園内の特定のエリアでは、この地域に特有の動植物も見られる。
月面のような景色をもつ岩石砂漠の一帯は「月の谷」ともよばれる。
コルドバのイエズス教会群とエスタンシア(コルドバ)
コルドバのイエズス会伝道所とエスタンシア群はアルゼンチンにあるかつてのイエズス会が入植の際に建造したコルドバにある集落跡です。このイエズス会伝道所には、南米最古の大学の一つであるコルドバ大学、モンセラ中等学校、教会、住居などが含まれています。
これらの施設の運営を維持するためにイエズス会は周辺に、
- カロヤ
- ヘスス・マリーア
- サンタ・カタリーナ
- アルタ・グラシア
- カンデラリア
- サン・イグナシオ
の6つの農園を運営しました。農村とその関連施設は1615年に始動し、1767年イエズス会の撤退まで続き、その後イエズス会がアメリカ大陸に戻る1853年まではフランシスコ会によって運営がなされました。
コルドバ大学とモンセラ中等学校は現在は国立化されています。
クエバス・デ・ラス・マノス洞窟壁画(サンタ・クルス)
先史時代に描かれたとされる壁画が残され紀元前1万1000年ごろから紀元後700年ごろまで、この地に断続的に移動してきた住民によって描かれたものだとされています。約270mの範囲に点在する壁画の中には、グアナコやニャンドゥなど、この地域独自の動物が描かれているものや、「手の洞窟」には800もの手形が残されています。
これらは、壁に手のひらを押し当てた上から顔料をかけたり、顔料を塗った手のひらを岩肌に押しつけたりして描かれました。理由は未だ解明されていませんが、これらのほとんどは左手となっています。
ル・コルビジェ建築作品(ブエノスアイレス)
日本の上野にある近代博物館の建てものも登録されているル・コルビジェの建築作品。
アルゼンチンの郊外La Plataラ・プラタ市にも作品があるのです。
邸宅の依頼主は、ペドロ・ドミンゴ・クルチェット医師で、住居と診療所を兼ねた建物となっています。
ル・コルビュジエが実際に現地ラ・プラタに訪れることはありませんでしたが、ル・コルビュジエの設計を基に、アルゼンチンの建築家アマンシオ・ウィリアムが手掛け、その後、サイモン・ウーカーズが引き継ぐ形で邸宅は完成しました。
クルチェット邸は、日除け格子(ブリーズ・ソレイユ)が工夫されており、アルゼンチンの暑い気候に対応できるような造りとなっています。
ル・コルビュジエの作品は、世界中に点在していますが、南アメリカ大陸で実際に建設された作品は、クルチェット邸のみです。アルゼンチンを訪れたなら、ぜひ足を延ばしクルチェット邸をご覧になってください。
ロス・アレルセス国立公園(チュブット州)
ロス・アレルセス国立公園はパタゴニア北部のアンデス山脈東麓の一角を占め、チリ国境に接していおり、活発な活動を続ける火山地帯にあります。
国立公園の名は、アンデス原産の針葉樹であるパタゴニアヒバ(スペイン語でアレルセ)に由来し、アルゼンチン最大のパタゴニアヒバ原生林があることで知られています。
氷河が作り出した自然の多様性やパタゴニアの森林の重要性が評価され世界遺産に登録されました。
バルデス半島(チュブット州)
バルデス半島はアルゼンチンにある世界遺産で、房総半島の3倍程の広さの半島やその海域は自然の宝庫として知られています。独自の生態系上に、固有種を含む珍しい動物たちが生活しており、「いのちのゆりかご」とも呼ばれています。
ナミセミクジラ・マゼランペンギン・ミナミゾウアザラシなど多くの希少動物を観察できます。シャチが海岸に突進し、アシカを狙うハンティング、『オルカアタック』は、ここバルデス半島でしかみることができません。映画『オーシャンズ』でも撮影されており、一度は見たことがある人は多いと思います。
アンデスの道網カパック・ニャン(アンデス山脈)
この世界遺産特記のすべき点は、南米大陸に属する6カ国(具体的には、「ペルー」、「エクアドル」、「コロンビア」、「ボリビア」、「チリ」、「アルゼンチン」)によって共同で申請が行われました。これは世界遺産認定40年間の歴史の中でも初めてのことでした。「アンデス」を含む、南米大陸の広範囲にまで至っています。
カパック・ニャンは、インカ帝国が支配した海岸砂漠地帯とアンデス高山地帯を東西南北につなぐ道路網でその距離は一説では6万キロにも達するといいます。インカ・トレイルという名がついていますが、インカ帝国が存在するよりも前から既にあり、大きく広げたのがインカだったという説が有力です。
インカの王が移動する際に使ったり、チャスキと呼ばれる飛脚のような人物がこの道を走り抜けることで情報の伝達にも利用されていました。
無形文化遺産にはこんなのも
日本でもユネスコ無形文化遺産になった和食のようにアルゼンチンには
2つの無形文化遺産があります。
El Tango タンゴ
アルゼンチンと言ったらタンゴ!と思い出すほどアルゼンチンの代名詞でもあるタンゴが2009年に無形文化遺産として登録。
アルゼンチンだけではなく、リオ・デ・ラ・プラタ地区(ラ・プラタ河)を含むウルグアイもこちらの遺産に登録されています。
これらの地域ではヨーロッパ移民と奴隷制度で連れてこられたアフリカ系黒人、そして現地で生まれたヨーロッパ移民の子孫(クリオージョ)たちが伝承した文化や習慣、リズムを融合したものがタンゴと呼ばれるようになった。
最もの特徴である音楽、踊りそして歌詞は文化の多様性を表している。
El Fileteado porteño フィレテアード
フィレテアードは1900年頃に移民から南米各地に広がった装飾技法の一つ。
正式な呼称は「フィレテアード・ポルテーニョ(Fileteado Porteño)」です。
アルゼンチンが起源となったワゴンやリヤカー生産の労働者として移民したイタリア人たちが生み出した大衆アートで、そこから南米各地に波及し、アルゼンチンのほかウルグアイでもこの技法を使った装飾品を見ることができます。
もとはシンプルな工芸でしたが、フィレテアードは庶民の文化として進化し、今では町中のワゴンやバスの装飾として活用されています。
フィレテアードは、当時の建物のモチーフからインスパイアされたゴシック模様と細やかな装飾、縁取りの原色使いと艶やかさが特徴です。
El Fileteado Porteño - Fileteado.com, Fileteado Porteño de Alfredo Genovese
いかがでしょうか。
案外文化的でヨーロッパ的な印象もあれば、
先住民文化が多く残り、
亜熱帯性気候から氷河までとバラエティーに含んだアルゼンチン。
是非是非いろいろアルゼンチンを探してみてはいかがでしょうか。